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【TL感想】「初恋狂い」こっちが狂うくらい面白い! 時代は“わからせ”ではなく“わかられ”だ

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最近どハマりしているTLマンガがある。

それが夏生ツナオの「初恋狂い 弟だと思ってた幼なじみに激重感情を(※カラダで)浴びせられてます」──通称「初恋狂い」。

タイトルからもわかるとおり、激重感情をこじらせた年下幼なじみ男子×ヒロインの現代TLだ。

ヒーロー・柊介の「眉毛」、そして「性描写」がとにかく最高なので、今日はこの2点に絞って全力で語る。

目次

150文字でわかるあらすじ

登場人物は主に3人。

ヒロインの優愛ゆあ(25)、ヒーローの柊介しゅうすけ(24)、そして柊介の兄の晴樹はるき(25)。

3人は幼なじみで、社会人になった今でもたまに3人で飲みに行く仲のいい間柄。

でもある日、酒に酔った優愛と晴樹が一夜の過ちを犯してしまう。それを知った柊介は、積年の片思いを優愛にぶつけることに決め……。

地獄の始まり感があって素晴らしいスタート

“誠実顔”で執着のかたまり──柊介の眉にオーバーキルされた

眉毛の形は、顔の印象を大きく左右するパーツ。「顔の額縁」とも呼ばれるほど、眉のちょっとした角度や太さの違いで、他人に与える印象がガラッと変わる。

表紙からもわかるように、柊介は眉毛の形が特徴的

女性向けマンガのヒーローの眉毛は、眉頭が太くて眉尻にかけて細くなっていくタイプ、もしくは太さが一定のタイプが多い。上がり眉やつり眉などもよく見る。

しかし、柊介は眉頭より眉尻のほうが太いタイプかつ、ほぼ直線的で平行なストレート眉。

この形のヒーローは私の観測範囲だとそんなにいない。思いつく限りだと、「死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)」のヴィンセント、ヒーローと言っていいのかわからないがアニメだと「ユーリ!!! on ICE」の勇利(フィギュアを滑るときのカッコいい姿)が同じタイプだと思う。

なんでこの眉形のキャラがあまりいないのかを考えると、一歩間違うとモサくなるからだ。整えていない眉毛感が出てしまいやすく、垢抜けない・野暮ったい印象になりかねない。

例えば、「金田一少年の事件簿」のはじめちゃんは、上がり眉ではあるものの眉頭より眉尻のほうが太いタイプ。はじめちゃんのビジュアルに「垢抜けている」という印象を持つ人は少ないと思う(昼行燈キャラなので、与える印象としては正しい)。また「隣の席の変な先輩」の朝日向は、下がり眉気味で眉頭より眉尻のほうが太いタイプ。こちらも「実はイケメンだが普段はもっさり」という印象のキャラだ。

「眉頭より眉尻のほうが太いタイプかつ、ほぼ直線的で平行なストレート眉」は、イケメンに見せるためには描き手にバランス感覚が求められる形。が、うまく描けば「誠実で理知的」な性格に見える。なんかこう、結婚向きなタイプというか「現実にいそうな、誠実で落ち着いた男」に見えるのだ。さらに柊介は(ヴィンセントも)実は執着や激情を抱えているので、「その顔でそんな激重感情を!?」とギャップとして効果を発揮してしまう。大好きすぎる……。

また柊介の目の描き方も特徴的。ほっとんどハイライトがないので、感情が読めずにちょっと怖い。感情を内に秘め、押さえ込むタイプに見える。

が、そんな男が時たま見せる「ハイライト入りの目+頬染め」の破壊力たるや……。

“わからせ”でもあり“わかられ”でもある性描写がすごい

そして「初恋狂い」最大の魅力はここ。性描写がとにかく丁寧でじっとりしている。

TLだからって全部の作品がエロ重視ではないし、むしろTLだからこそ“ノルマ的なHシーン”になってしまう作品もあるなかで、「初恋狂い」は全然違う。

例えばお互いが服を脱ぐだけで7ページを割く。
優愛が恥ずかしくてふざけたり、部屋の電気を消す消さないのお約束のシーンがあったり、柊介の肉体美にときめいたり、柊介が優愛にグッときたり。ただ脱いでいるだけではなく、会話や仕草がキャラの性格や心理とリンクしていて、ちゃんと相互コミュニケーション──“ふたりの関係の物語”になっている。そしてそれがめちゃくちゃエロく、くすぐったく、もはや前戯なのだ。

柊介がかなりじっとりした性格のため、セックスもかなりじっとりしている。優愛は元カレたちとのセックスには虚無すら感じていたが、柊介相手だとイキまくってしまう。「相性がいいから」と思っていたものの、柊介曰く「優愛の表情 体の反応…… 全部逃さず拾い上げて 優愛がいちばん気持ちいい時に 優愛がいちばん気持ちいいようにっていう……俺の『尽くす心』が答え」だという。

なんかいいこと言ってる感あるけど怖い

ふたりの初めてのセックスは柊介は優愛に自分の恋心を“わからせ”ようと寝込みを襲うというもの。2回目以降は同意のもと、優愛のリアクションをしっかり観察し、的確に気持ちいいツボを押していく。この自分以上に自分の性癖を“わかられ”ている感じが素晴らしい。ヒロインの快楽に全神経を集中させてくるタイプの執着男(スタンティングオベーション)。

それくらい優愛に捨てられないよう必死なんだと思うと最高に萌える。

単行本は2巻まで発売中! 続きもあるよ!

2025年5月現在、単行本は2巻まで発売中。
コミックシーモアの先行配信作品なので、単話版はそちらが一番早く読める。

私は紙の単行本で買っていたのに、早く続きを読みたい欲望に負けてシーモアで11話・12話も購入した(2巻には10話まで収録)。

単話配信は11話までKindleでも読めるので、まずはふたりが初めてコトに及ぶ2話まで試し読みしてほしい。そして柊介の“眉毛と性描写”に狂ってください。

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