「〈エロマンガの読み方〉がわかる本」という同人シリーズがあります。
タイトルのとおり、エロマンガを題材にした評論本で、これまで「NTR」「男の娘」「爆乳&超乳」など、人気の設定を特集。主宰の夜話.zipさんいわく、シリーズ発行部数はDL版含め1万8000部超とのことです。凄すぎ!
私はこれまで、女性向け作品を取り上げるコーナーに3回寄稿しています。
初寄稿のテーマは“催眠”。当時、がるまにの有名作家が次々と催眠ものを発表していた流れがあり、「乙女向け同人で“催眠”はどう描かれているのか?」という視点で執筆しました。取り上げたのは以下の3作品です。
- 堀田阿伴「催眠カラオケ-バイトの後輩にいつのまにか肉オナホにされてた件-」

- めえお「お望みでしたら催眠を〜槇さん秘密の恋愛セラピー〜」

- いだ天ふにすけ「催眠!! 元カノ無知無知大作戦」


ちなみにこの原稿は「ギャル特集」に収録されています
その後は「教養としての『特殊性癖』Vol.2」という「〈エロマンガの読み方〉がわかる本」の別冊(?)で、もふ緒さんのインタビューを担当しました。
がるまにで“特殊性癖”と言ったら、みんな大好き「モブ推しJKの悪役令嬢異世界転生~悲惨~」でしょ!
“がるまにの性癖暴走列車”こと「モブ推しJK」を読めば明らかなように、もふ緒さんさんの性癖は「鬼畜陵辱」と「NTR」。「元気なヒロインの瞳をNTRで曇らせたいんです」と語ってくださったのが最高で、強烈に印象に残っています。
3回目の寄稿は「ティーンズラブ(TL)」について。
というのも、今まさにTLが盛り上がっていると感じているからです。特に「実写化が見込まれるコンテンツ」として注目されるようになったのは大きな変化でした。
ただ、もともとTL業界では「TLは実写化されにくい」という認識が根強く、実際これまでほとんど実写化されてきませんでした。そもそも「TLとは何か」を、作家やファン以外はあまり知らないかも?と思っていて。そこで、
- TLの歴史や基本的な特徴
- なぜ今TLが実写ドラマ化されるのか
といったことを整理して書きました。
TLをよく知らない人にもわかりやすく、またTL好きの人にも楽しんでもらえる内容になっていると思います。
冒頭部分を公開してもOKとのことだったので、以下、実際の原稿から抜粋した冒頭の章です。
ぜひお楽しみください!(気になったら、収録されている『「ストーリーが」「面白い」「エロマンガ」』をぜひチェックしてみてください)


2025年はティーンズラブ実写化元年!──いま知っておきたい、はじめてのTL
はじめに
2024年12月、TL(ティーンズラブ)マンガ『キスでふさいで、バレないで。』(ふどのふどう)のTVドラマ化が発表された。このニュースは、少女マンガや女性マンガ、BL(ボーイズラブ)に比べてメディアミックスが限定的だった……もっと言うとこれまでほとんど実写ドラマ化されてこなかったTLジャンルにとって、大きな転換点となった。
そして驚くべきはこれが単発の話題にとどまらなかったことだ。2025年1月には『教えてください、藤縞さん!』(なえ・淡路)、3月には『黒弁護士の痴情 世界でいちばん重い純愛』(すみ)の実写ドラマ化が相次いで明らかに。さらに『黒弁護士の痴情』を皮切りに、DMM TVとTOKYO MXがタッグを組んで約1年にわたって複数のTLコミックを実写ドラマとして連続放送・配信するという大型企画が発表されたのだ。
この企画は、TLというジャンルにとって画期的であるだけでなく、「なぜ今、TLが実写化されるのか?」という問いを私たちに突きつける。本稿ではその背景をたどりながら、TLというジャンルの現在地と魅力を掘り下げていく。
そもそもTLとは何か?
TLとは、「性表現に重点を置いた男女間の恋愛作品」を意味する、女性向けのいちジャンルである。表現媒体は小説とマンガが中心だが、本稿では主にマンガ作品を対象に語っていく。TLの主な読者層は成人女性であり、性描写が不可欠な要素として物語に組み込まれているのが特徴だ。性描写では女性の感情や状況、愛される実感が描かれる傾向が強い。ただし性描写の頻度・濃度はさまざまで、エロに重きを置いたものから、恋愛の過程や心の揺れを丁寧に描く中で、結果として性行為に至る作品まで、多様なスタイルが存在する。
また男性向けエロ作品は性的に興奮できる視覚的表現が中心に置かれているが、TLでは性行為が描かれていても、「どんな気持ちで触れたのか」「その言葉にどんな思いが込められていたのか」といった、感情の交差や関係性の変化に重きが置かれている。TL読者が楽しむポイントはさまざまだが、単に「激しい行為そのもの」ではなく、「理性を飛び越えた執着」「気持ちが昂る瞬間」など、感情に裏打ちされた描写に惹かれる読者が多いのだ。
ちなみに同じ女性向け作品でも、DLsiteがるまになどで配信されている「乙女向け同人」は即物的かつ視覚的な刺激が強調される傾向がある。例えば「断面図」などの表現が使われている作品には「男性向け表現あり」といった注意書きが添えられていることも多い。こうした例からも、視覚的な刺激や過激な描写が“男性向けの表現”と捉えられていることがわかる。
さらにTLを語る上で欠かせないのが、「ティーンズラブ」というジャンル名についての知識だ。文字通りに受け取れば「10代の恋愛」だが、実際には読者層の中心は成人女性で、ヒロインもほとんどが20代以上の成人女性である。近年、TLでも異世界を舞台にしたファンタジー作品が増えているが、現代を舞台にした作品が圧倒的に多く、主人公も多くは働く社会人女性として描かれる。この名称と実態とのズレは、1980年代後半から90年代にブームとなった「レディースコミック(レディコミ)」の読者層よりも若い世代をターゲットにしようとした、当時の出版社の戦略に由来すると思われる。つまり、「ティーンズラブ」という名称は、レディコミでは届きにくかった10代後半〜20代前半の女性読者を想定したものであり、その名残が現在まで残っているのだ。
なお「TL=性描写のある女性向けジャンル」だが、「性描写のある女性向けマンガ=TL」とは限らない点には注意が必要だ。例えば、2023年にドラマ化された『帰ってきたらいっぱいして。~アラサー漫画家、年下リーマンに愛でられる~』(ましい柚茉)は、ヒロインがTL作家という設定で、作中でも毎話のようにヒーローとの性行為が描かれている。しかしジャンルとしては「TL」ではなく「女性マンガ」に分類されている。このように、「TL」と「女性マンガ」の違いは、作品の内容だけでは判断しにくいことが多い。ジャンル分けは、性描写の有無だけでなく、描写の濃さや頻度、そして書店のどの棚に置くか(「TL」か「女性マンガ」か)という出版社・レーベル側の判断やコンセプトによって決まる場合が多いのだろう。TLかどうかを簡単に確認したい場合は、電子書籍サイトで「TL」ジャンルを検索してみるのが早い。そこに掲載されている作品が、基本的にはTLとされる作品である。
公開はここまで。
この先では、
- TL実写ドラマ化はなぜ「今」なのか?
- 実写化されたTL作品レビュー
といった内容が続きます。
『「ストーリーが」「面白い」「エロマンガ」』に約5000字でたっぷり書きましたので、ぜひ読んでみてくださいね!エロマンガ」』に5000字くらいで書いたので、ぜひ読んでみてくださいね!


紙版はメロンブックスやとらのあな、電子版はDLsite以外でもFANZAで買えるようです(今はBOOTHでは購入できないみたい)。
ちなみに、「黒弁護士」は大好きでこのブログでも感想をたっぷり書いています。

