二ノ前あまねさんの「いけにえの花嫁」は、小学館のマンガサイト・デジコレほか各電子書店で配信されているティーンズラブです。
2023年8月4日に1〜3話が単話配信されました。
第3話で話としては区切りがついています。ぜーんぜん情報がなくて、4話以降が配信されるのかはわかりません。
でも続きも描けそうな終わり方。というか、続編が読みたい! もっとこの2人のラブを読みたい!
そのためにもっともっと売れてほしい〜!
ということで、微力ながら感想を書いて応援します。もし気になっている人がいたら、購入の参考にしてください。
あまり難しいことを考えないで読める、疲れたときに最高のマンガ
物語の舞台は、鎌倉時代初期の中国地方です。
ヒロインは、不吉な“忌み子”として村でいないものとして扱われている鳴子(なきこ)。自分が生まれたことで、村人から母親も疎まれ、双子の兄も陰口を叩かれ、存在を殺すように生きてきた少女です。
そんな鳴子が、“山の龍神”に嫁入りし、彼に大事にされることで花開いていきます。
これは若干のネタバレになるのですが、山の龍神の正体は平家の落人である経忠(つねただ)。
少年時代に源平合戦で敗れ、中国地方の山村に流れつきました。
「時代もの・歴史ものはあんまり得意じゃない」という方もいるかもしれませんが、シンプルに鳴子と経忠がお互いを大切に慈しんでいく(そしてティーンズラブなのでエッチな描写もある)ラブロマンスです。あまり難しいことを考えないで読める、疲れたときに最高のマンガです。
ビジュアルが強い孤独な男が、かなり独特なやり方で嫁を大事にする萌え展開
Kindleのサンプルページなどで試し読みができるのですが、注意点があります。試し読みの範囲では、経忠の姿がちょっと小汚い怪異に見えるんです。
最初、私は男版八尺様かと思いました。
でも嫁取りをしたら身だしなみに気を使うようになったのか、どんどん端正な顔立ちになっていきます(笑)。なので最初で引かないで、できれば水浴びのシーンまでは読んでほしいです……!
美しく、かなり体が大きく、強い男です。
そんなビジュアルが強い男は、10年ものあいだ孤独を強いられてきたため、嫁(鳴子)をめちゃくちゃ大事にします。
しかし、人と交流してこなかったのでその“大事”の仕方はかなり独特。
鳴子が死ぬ覚悟で山に来たときはテンションが上がって掻っ攫って化け物だと思われ、小屋に連れ込んで早々水浴びからのセックス! しかし、鳴子からは(マジの意味で)食べられると思われ怖がられます。
でも破瓜の血をめちゃくちゃ心配し、「私は貴様の夫なのだから」というキラーフレーズで鳴子の髪を整え、きのこは危ないからと自分が毒味をし、細すぎる鳴子のために滋養のある獣の肝をとってくる(そしていきなり口にぶっこむ)。本人は至って真面目です。物語としてもコメディではなくシリアス寄り。
大事にしたい気持ちはわかりづらかったり、空回りしたりするのですが、だからこそ読者(というか私)にはグサグサと刺さります。
獣の肝を口にぶっ込まれた描写は「うげ」と思う気持ちと、激強ビジュアルで「お前は細すぎる。抱き潰して死なれたらかなわん」と鳴子の口を舐めながら心配している姿に萌える気持ちで、心が引き裂かれそうになります。
情緒を不安定にしたくてマンガを読んでいるところがあるので、心が引き裂かれそうになるのは最高のご褒美です。
体格差&性欲の強さにグッとくる
そしてめっちゃ大事なのですが、「いけにえの花嫁」では体格差セックスをこれでもかと見せてくれます。
経忠、綺麗な顔して性欲が強めです。
長身痩躯の男と小さくて細身の女の体格差、そして最初は無理矢理だったのが2人の心の距離が縮まっていくにつれ甘くなっていく表情とセリフ。
孤独な男女が唯一無二の相手を見つけ、お互いを慈しみ合っていく(だけじゃなく、性欲もちゃんとある)。
特に3話、素晴らしかったです。
最初に書いたのですが、3話で話としては区切りがついていますが、まだ続けられそうな終わり方。
続きが出たら速攻で買います。もっと売れて、続編決まってくれ〜!