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「陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい」(ぽちたろ / THE猥談)脳内ポインティさんが出現する暇がないくらい面白い【TLマンガ感想】

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自腹で買った本当に面白い作品のレビュー、今回はぽちたろさんの「陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい」です。2023年2月現在、「DLsiteがるまに」で購入できます。R18作品ですが、ほんっとうに萌えるので18歳以上の人はぜひチェックしてみてください。このレビューが、購入の参考になれば幸いです。

目次

脳内ポインティツッコミを恐れていたが杞憂だった

THE猥談って知ってますか?

お題に沿って読者が投稿したエロい体験談を読めるTwitterアカウントです。

佐伯ポインティさんという方が運営しているんですが、ポインティさんを見たことある方も多いんじゃないでしょうか。

「佐伯ポインティのwaidanTV」というYouTubeチャンネルを投稿していて、その切り抜きショートをTwitterにも投稿しています。

こんな感じ。

3次元の体験談ってけっこう生々しいものも多いんですが、ポインティさんが面白おかしくツッコミを入れてるので、嫌悪感を全然感じずニヤニヤ笑いながら見ちゃうんです。明るいエロって感じでめっちゃ面白い。

そんなポインティさんが運営する「THE猥談」に寄せられたノンフィクションの投稿をベースに、いろんなマンガ家さんが描いたマンガのシリーズが「DLsiteがるまに」で配信されています。

がるまにで「THE猥談」というサークル名で検索すると出てきます。

今回ご紹介するのはそのシリーズの1作、「陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい」です。

陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい

この猥談をベースに、成人マンガ家のぽちたろさんが描いた作品です。

THE猥談
普段はスタバに1人で入れないド陰キャくんは私のケツは楽しそうに叩いてくれる|THE猥談 田舎から東京にでてきた彼と、東京育ちの私。 見た目はかっこいいのに、彼は陰キャだった。 心許した人にはよく喋るギャップというのか、この人は私以外の女とは話すことも...

実は、がるまにのTHE猥談シリーズは気になっていたんですが、読んだのはこの作品が初めてです。

なぜかというと、ポインティさんが好きでけっこうTwitterで見ているので、「THE猥談のマンガを読んでる最中、脳内にポインティさんが降臨してあの愛嬌のあるツッコミをし続けてしまうのではないか……」「それはTLを読むときに(ある意味)ノイズなのでは……」という謎の心配をしていたからです。

結論から言うと杞憂でした! マンガが面白くてそれどころではなかったです!

まあ、よく考えたらTwitterに投稿されてるショート動画ではポインティさんを見ますが、「THE猥談」の投稿のほうはポインティさんじゃなくてゴリラの写真が出てますからね。ただこの作品にはサブリミナルポインティが登場しているので、ちょいちょいクスッとしました(笑)。

同じくTHE猥談シリーズの「いつも余裕な陽キャ彼氏の嫉妬えっちが止まらない!!」なども気になっていたので読んでみようと思います。

いつも余裕な陽キャ彼氏の嫉妬えっちが止まらない!!

すごく“今っぽい”作品

さて、「陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい」を読んだ感想です。

まず、“陰キャ彼氏の良くん”のキャラクターがすごくよくて。

ギャップの塊です。

影があるタイプのイケメンですが、コミュニケーションが苦手で彼女の舞にだけ笑顔を見せる、という少女マンガから出てきたような萌え設定。

そしていつもは舞に一途でやさしい。コミュニケーションが苦手&良が2つ年下なのも相まって、どちらかというと普段は舞がリードする側です。

でもベッドの上では逆転。良がSになる。

余談ですが、がるまにのTL同人で2022年売上1位だった「仕事ができない榊くんは夜だけ有能」が人気を博した理由は、「日常では女性側がリードしている」「でも夜は年下男子に逆転される」という下剋上設定が現代女性にヒットしたんじゃないかと思っています。「昼は女性側、夜は男性側が優位になる」ので、ある意味下剋上ではなく平等なのかもしれません。ずっとリードされていたくないし、ずっとリードしていたくもないというか。女性側が「男性に負けないように」と肩肘張ってないのも今っぽい気がします。

「陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい」も、同様の要素を持っている作品です。

漫画コンサルタントの竹村響さんという方が、インタビューでこう言っていました。

エンタメ業界の中でもマンガは「同時代性」が重要です。時代と社会の「今」にフィットしている作品がマーケットに受け入れられて読者へ届く

kotoba 2023 Winter Issue No.50より

TL作品のヒーローはリーダータイプというか、アルファ雄っぽいキャラクターが多く、常に頼れるところが魅力でした。でも女性が自立している現代では、別のタイプのヒーローも受け入れられているのかもしれません。そういう意味で、「陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい」はすごく今っぽい作品でおすすめです。

読者を期待させ、緩急を使って攻めてくる

若干真面目なことを書いた後ですが、エロ描写がいいってことも絶対伝えたくて

なんと言うか、ぽちたろさんは期待のさせ方がうまいんです。

「顔はかっこいいのにド陰キャ」「シュタバ(スタバのこと)には1人で入れない」「私の友達ともうまく話せない」と良くんのことを説明した上で、「それなのに」というワクワクするナレーションを入れて読者を焦らしてきます。

“それなのに”!? それなのになんなの!? と夢中になって物語を追ってしまう

緩急の使い方も巧みです。

ちょっとコメディっぽくじわじわエロい展開に持っていきつつ、ページを捲ると急にガツンとどエロ。インサートのシーンも緩急が効いています。はわわ~。

ぽちたろさんは普段は男性向けの成人マンガを描いている作家さんです。原作あり&女性向けは「陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい」が初めてだそうですが、男性向けで培ったエロ描写は存分に見せつつ、女性向けに夢も見せてくれるという素晴らしい作品でした。

私はぽちたろさんが男性向けに描いた作品も読んでいるのですが、確かにいろんな描写が違います。

具体的には良くんがカッコいい(笑)。男性向け作品では、男性はなんというか“竿役”って感じなのですが、良くんは細身ながら筋肉もあり、顔もイケメン。そして男性向けでは女体を描くことにページを割いていますが、「陰キャ彼氏の良くん」では2人のシーンにページを使っている気がします。

女性向けではお約束ともいえる「女性が性的に攻められすぎて訳がわからなくなり逃げようとするけど男性に捕まる」シーンも搭載。最高。

エロをセーブしているわけではなく、見せ方や演出が少し違うというか。でもぽちたろさんはキャラクターが“脳で感じる”ことを大切にされているのか、そういった描写は「陰キャ彼氏の良くん」でもキレッキレです。

2023年2月現在、がるまにでのみ配信されています。ぜひチェックしてみてください。

陰キャ彼氏の良くんは私のことを悦ばせたい

[2023/08/20追記]ぽちたろさんが、X(Twitter)で描き下ろしを公開してくれました。ありがたや〜

https://twitter.com/Pochin_taro/status/1693068091989934431

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