「ページをめくるのが楽しいマンガ」ってありますよね?
読みながら「絶対楽しい/ヤバい展開が待ってる気がする……!早く見たい!!」という期待感を抱かせてくれるマンガです。
今回ご紹介する「帰れないふたり」(レゥル)はまさにそんな作品。
DLsiteがるまにで配信されている、会社の先輩×後輩の18禁オフィスラブです。全3話で完結しているので、付き合うまでの過程や恋人になってからのすれ違いなどを一気に堪能できます。
私の萌えポイントをレビューしてきますので、購入の参考にしてください。
150文字でわかる「帰れないふたり」
「帰れないふたり」1話目のあらすじを、150文字にまとめるとこんな感じ。
真面目で奥手なOL・風華は、会社の明るい先輩・水野への片思いを胸に秘めていた。
ある日2人きりで出張することになったが、台風で帰れなくなってしまう。
ホテルは1室しか取れなかったため、風華に部屋を譲って外に出ようとする先輩。風華が引き止めると、先輩は「雄の顔」をあらわにして……。
「あまりに王道じゃん」って思った方、ぜひ次の見出しに進んでください……!
「陽キャな男の激重感情が見たい!」という期待に応えてくれる作品
「帰れないふたり」のすごさは、「期待をさせるのが上手く、しかもその期待にきちんと応えてくれる」というところにあります。
舞台設定を見てください。
- 片思い中の先輩とふたりきりで出張
- 台風が来て帰れない
- ようやく取れたホテルは1室で、ベッドは1つしかない
あまりに王道で、この後どうなるかという予測は容易です。
王道展開には、「ありがちなだけで面白みがない」と感じる場合と、「期待通りなのに驚くほど面白い」と感じる場合があります。
後者になるには、
- キャラクターの感情を丁寧に描くこと
- 「このふたり、きっと恋人になるんだろうなあ」はわかっているので、「なぜ恋人になったのか」に説得力を持たせる
- 期待させつつ、たまに裏切って読者をびっくりさせること
- 「付き合う」という結末は予測通りでも、読者を退屈させないように過程で小さな驚きを挟む
あたりが重要なのかなと思っています。
つまり「予測できる結果=付き合う」に至るまでの「過程=sex描写」で、読者がヒロインとヒーローを好きになるように描いて「こんなふたりなら付き合うよね」と思わせたり、演出や伏線でびっくりさせたりしてほしいんですね。
「帰れないふたり」を読みながら、私は
- 太陽みたいに明るいこの陽キャな男の激重感情が見れるのでは……?
- ヒーローの誰も知らない顔をヒロイン(と読者)だけに見せてくれるのでは……?
と期待をしました。そして満たしてもらいました。
ビッグ感謝
また、作者のレゥルさんは「間」の取り方がとても上手だなーと思いました。
例えば、乳首を舐めるまでに3コマ使うんです。1コマ目で乳首を舐める寸前の描写、2コマ目でヒロインが「ダメ」と言いしながら期待し、3コマ目でペロって舐めて甘イキ。この、期待させる「間」のうまさよ……!
「驚き」の部分は、全部は書きませんが細かくいろいろあって。
絶対にお伝えしたいのが先輩のTNTN描写が最高でしたってことです。
ズボン履いててそれ!?という驚愕、「ボロン」のときの勢いの良さに笑いすら込み上げてきました(特に2話のTNTN登場描写が最高!)。
そして拍手喝采したのは先輩の「俺は久々だから」というセリフです。
この短いテキストで、
- こんなカッコよくてエロくてモテそうなのに“久々”なの!?
- ってことはしばらく彼女いなかったってこと!?
- 遊んでもいなかったってこと!?
と幾重にも驚きが去来しました。
しかも「俺は久々だから」と言いながら初めて先輩の上裸がお目見えするのですが、レゥルさんの圧倒的画力に「こりゃあすごい」と感嘆。
素晴らしかったです
私の「オフィスラブ地雷」を打ち破る
地雷というと大袈裟ですが、私にはオフィスラブTLで苦手な展開があります。
それは「会社でsexする」という描写です。
2次元の物語とはいえ社会人としての現実的な思考になってしまい、スンッと引いちゃうことが多いんですよね……。
実は「帰れないふたり」2話は「オフィス編」というサブタイトルでして、その名の通り先輩とヒロインがオフィスでします。
でも、この作品は全っ然大丈夫でキャッキャしながら読みました。
なぜか?と考えたんですが、ヒーローがブラック部署への異動で精神的に追い詰められていたというエクスキューズがあったからかなあと。
「そんなことで!?」と自分でも思うのですが、全然嫌悪感がわかなくて。
たぶん、私には「正常な判断力を持つ社会人は会社でsexしない」→「会社でしちゃう男は正常な判断力がなくてカッコ悪い」みたいな考えがあって、オフィスラブTLの王道=資料室sexに萌えられなかったのかもしれません(資料室sexの場合、仕掛けるのはだいたい男からなので)。
だから過重労働で追い詰められていた先輩の行為には納得感が出て、嫌にならなかったのかなと。
長年苦手としていた描写に対して、言語化ができてよかったです。
「嫌悪感」で思ったことをもうひとつ。
がるまに作品では「ヒロインがヒーローからオナホのように扱われる描写があり、それにヒロインが興奮する」という展開をちょくちょく見るのですが、私はそれにもあまり嫌悪感を抱かないんですね。というか萌えることが多い。
「帰れないふたり」でもヒロインが「私の体で(先輩が)気持ちよくなってる」と感じたり(1話)、先輩が「こうやってオナホみたいに扱われんの好きだよな?」と言ったり(2話)。
「2次元とはいえ苦手でもおかしくないのに、なぜ私は平気なんだ?」と思ってたんですが、「帰れないふたり」のヒロイン・風華のとんでもない恵体を見ながらなんとなくわかりました。
たぶん、ヒーローがヒロインを大好きということを前提に、オナホ扱い=名器=ヒロインの肉体的な魅力として認識しているんだろうなと。「ヒロインの内面も好き、さらに肉体も好きって最高じゃん?」みたいな。
大事なのは「ヒーローがヒロインを大好き」という部分なので、それがなければ無理なのですが、がるまにヒーローはだいたい執着男なので「大好き」どころじゃないという(笑)。
3話が「完結編」で、配信されたばかりです。こちらも素晴らしかったので気になった人はぜひ!