今回レビューするのは、ラカさんの「(K)NIGHT & DAY 拾った逆トリ騎士が“雄”になるまで」です。
DLsiteがるまにで販売されている長編同人作品の中でも、本文167ページという屈指のページ数を誇る「(K)NIGHT & DAY」。18歳以上の方はチェックしてみてください。また核心には触れていませんが、少しネタバレになる部分もあります。まっさらな気持ちで読みたい方は、DLsiteがるまにへGO!!してください。
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タイトルから読み解く「(K)NIGHT & DAY」
タイトルになっている「(K)NIGHT & DAY」は、まさにこの作品を表す言葉。
最初に(K)をつけることでknight(ナイト)、つまり騎士であるヒーローのケイを表しています。
そしてnight and dayには
- 昼も夜も=四六時中
という意味があります。「ずっと」ということですね。
もうひとつ、night and dayは比喩として
- 夜と昼(のようにまるで正反対の存在)
というふうに使うそうです。
「ずっと」と「正反対」。
この2つをキーワードに、作品を読み解いていきます!
「(K)NIGHT & DAY 拾った逆トリ騎士が“雄”になるまで」のあらすじ
「(K)NIGHT & DAY 拾った逆トリ騎士が“雄”になるまで」は、過去から現代の日本に逆タイムスリップしてきた騎士のケイと、彼を拾った杏奈のラブストーリーです。
2人は同棲をすることになるのですが、恋人でも家族でもなく、あえて関係に名前をつけるとしたら“同居人”。
半年経ってもその状態は変わらず、気を使っていろいろできない杏奈は欲求不満に。
礼儀正しく、寡黙で、無愛想かつストイックなケイを相手に、「その表情を“雄”に変えて、余裕なく求められてみたい」という好奇心が疼き出します。
わざと煽ってみても決して手を出してこないケイ。
ある夜、杏奈に気がある後輩男子の存在をきっかけに、ケイの中の“雄”が爆発。
嫉妬とすれ違いから、一瞬にして後戻りできない状況に陥っていきます。
途切れることなく続くH!
さて、1つ目のキーワードである「ずっと」というのは、「途切れることなく続く」という意味です。
何が?
セックスです!
「(K)NIGHT & DAY」は本文167ページという、乙女向け同人としてはかなりの長編作品。
そのうち、ベッドシーンは100ページ程度あります。
今は長編同人が増えている傾向にあります。少し前までは20〜40Pくらいが主流だったような。なので、「(K)NIGHT & DAY」は本文もとんでもなく長く、そのうちベッドシーンの占める割合もすさまじく長い作品です。
杏奈の無邪気な誘惑をCOOOOOOL!!な表情でかわし続けたケイ。
しかし後輩男子が酔った杏奈を送り狼しようとしたのをきっかけにスイッチオン。
キスの後一発軽くインサートし、その後14ページにわたるクンニ、5ページにおよぶ乳首責め、おまけといわんばかりの4ページクリ責め、そして13ページ続く本番。
それではまったく終わらず、風呂でもH、さまざまな体位でのH。
終いには会社を休んだ杏奈を心配してお見舞いに来てくれた後輩男子とドア越しに会話しながらケイとH。とどめとばかりに後輩に告白されながらのケイとのH!
そしてここからまた長いHシーンに突入します。
まさに「昼も夜も」、四六時中しています。
がるまにの作品ページに「雄に堕ちた騎士の“本物”執着絶倫交尾」というキャッチコピーがあるのですが、「ま、まさに……“本物”……」と圧倒されました。
楽しく笑えるエロス
「(K)NIGHT & DAY」のHシーンは、長いだけでないんです。
私個人の感想なので違う意見の方もいると思いますが、誤解を恐れずに言えば「(K)NIGHT & DAY」のHシーンは「楽しくて笑える」。
1990年代に一世を風靡した「快感♡フレーズ」や、「頭がフットーしそうだよおっっ」などの名言を連発した「げっちゅー♡」のような、主人公たちはいたって本気だけどどこか面白いH。
そう、「(K)NIGHT & DAY」にはいにしえの小学館少女誌系Hの楽しさがあります。
ケイが汗ひとつかかずに険しい顔を継続していること、一方の杏奈がずっとトロットロのぐっちゃぐちゃなイキ顔を見せているのが対比になっていて面白い。
さらにヨガの「橋のポーズ」を思い出させる体位や、マンガのコマを突き抜けるほど巨大すぎるケイの一物。
私の超お気に入りシーンである後輩に告白されながらのケイとのH。
ツッコミどころがありつつ、見せ場もたっぷりで、しかもそれが100ページ以上もある。
ケイはH中に汗をかくのかかかないのか、ぜひ読んで確かめてほしいです。
コミカルに感じる部分があるのは、ヒロインの杏奈のほうから積極的にケイを誘惑している、という女性の主体性も起因しているかもしれません。無理やりされているわけではなく自分(杏奈)が希望した行為なので、めちゃくちゃにされてもどこかハッピーというか悲壮感がなくて。もちろん杏奈もここまですごいとは思ってなかったでしょうが(笑)。
高潔な騎士道と、野蛮な獣性
2つ目のキーワードは「正反対」。
これは、騎士であるケイが主君に誓う純粋な忠義と、杏奈に見せつけた野蛮な獣性の二面性のことです。このブログで何度も書いているのですが、ヒーローの二面性……つまりギャップって本当に萌えます。
ケイのストイックさから一転してまさに“雄”になる描写、そして険しい顔からの終盤の切なそうな表情。乙女向け作品を読んでいて楽しい瞬間です。
さらに「正反対」を象徴してると感じたのは、中面のカラーページ。
「(K)NIGHT & DAY」には、中面に2枚のカラーページがあります。
たぶん2枚とも、エドモンド・レイトンの絵画「The Accolade(騎士号授与)」のオマージュです。パブリックドメインになっているので画像を貼りますね。
「(K)NIGHT & DAY」には、柔らかな光が降り注ぐ神聖で厳かな雰囲気の中、騎士号を授与するイラストと、雨の降る夜、ゴミ溜めに座り込む男に傘を差し出すイラストが収録されています。
昼と夜、神聖さと猥雑さなどいくつもの対比になっていて、イラストとしてもとても美しいです。
まとめ
「(K)NIGHT & DAY 拾った逆トリ騎士が“雄”になるまで」は、騎士のケイと彼を拾った杏奈のラブストーリーで、100ページ以上あるHシーンが特徴的。
高潔な騎士道と野蛮な獣性の二面性が描かれ、乙女向け作品の魅力・面白さを味わえる作品です。