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「子煩悩で優しい夫、絶倫雄々野獣形態に戻る」レビュー!結婚10年、子育て中の夫婦がTLの主役になる衝撃

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9月。気づけば今年もあと3カ月です。

今年もDLsiteがるまにで乙女向け同人をいろいろ読みましたが、現時点の私の今年ベストは──「子煩悩で優しい夫、絶倫雄々野獣形態に戻る」です。

衝撃を受けました。

乙女向け同人、そしてTLにおいて、かなりエポックメイキングな作品だと思います。
なぜなら「子育てをしている家庭的な夫婦」がTLの主役になったからです。

本作の面白さと画期的な理由を紹介していきますね。

目次

「子煩悩で優しい夫、絶倫雄々野獣形態に戻る」とは

THE猥談×愛沢アンジのタッグ第2弾

がるまにの大手サークル・THE猥談と、天才絵師・愛沢アンジのタッグ第2弾。

2023年に発表された第1弾「あざと可愛い✕くんの執着サド交尾は本物です」も、愛沢アンジさんの画力と熱量で読者をぶん殴ってくる作品でした。

もちろん「子煩悩で優しい夫〜」もその点でまったく負けていません。むしろ「あざと可愛い×くん」から2年経ち、愛沢アンジさんの持ち味である「日常からエロへの踏み込み速度」がさらに洗練されています。一気に加速することもあれば、じわじわ焦らして気づけば爆発的に突っ込んでくることもある。まさに自由自在の緩急です。

ちなみにタイトルの「子煩悩で優しい夫、絶倫雄々野獣形態に戻る」は「夫」「パパ」「絶倫雄々野獣形態」「ガチオスビーストモード」と読みます。かっ飛ばしすぎ。

ストーリーラインはシンプル

主人公カップルは、結婚10年目、2人の子供を育てている夫婦

キスは毎日、セックスは週1〜2回とまったく枯れていません。ただ子育て真っ最中なので、夫婦の寝室でいい雰囲気になっても子供が起きた物音がしたらサッと中断して子供の様子を見にいく──というふうに、セックスに関しては「思いっきりできない」という意味で少し燻っていました。

あるとき子供たちが祖父母と共にお泊まりに行くことになり、久しぶりに夫婦だけの連休が訪れます。

TLは“子育てパパ”を描いてこなかった?

「子育てをしている家庭的な夫婦がTLの主役になった」ことが画期的だと書きました。まず前提ですが、TLの主人公たちが“夫婦”であること自体は珍しくありません。

多くは契約結婚や事情アリの結婚から始まり、最初は両思いじゃない(両片思いのことは多々)2人が結婚後に恋を育てていくストーリーラインで、むしろ定番のひとつです。

一方で、“子育てをしている家庭的な夫婦”の性愛が中心に描かれる作品は、ほとんど見かけません。ここが本作の最大の特徴であり、凄さの核です。

シークレットベビーものとの違い

TLに詳しい人なら「パパママという関係ならシークレットベビーものがあるじゃん」と思うかもしれません。

「シークレットベビー」とは女性向け作品で描かれるジャンルのひとつで、多くは「ヒロインがヒーローに内緒で妊娠・出産し、数年後にヒーローと再会してヨリを戻す」というストーリーを指します。

でもシークレットベビーものでは、ヒロインは母として子供を育てていますが、ヒーローは(物語開始時点では)子育てをしていません。

つまり、生物学上は父でも“子育てしているパパ”ではない状態で物語が始まり、これからパパになっていく物語なんですね。ここが本作との大きな違いです。

なぜ今まで「子育てパパ」がいなかったのか?

なぜこれまで「子育てをしている家庭的な夫婦」が主人公のTLはほとんど登場しなかったのでしょうか(少なくとも私は読んだことがありません)。

理由はシンプルで、あまりにも日常すぎるからだと思います。

生活感がありすぎて、TLが得意とするドラマチックな性愛を描きづらい。「子育てをしている家庭的な夫婦」に、物語としての色っぽさや高揚感があるとは、誰も思っていなかったのではないでしょうか。

だからこそこの作品を読んだとき、あまりの面白さに驚きました。

「子育て夫婦の性愛」を真正面から扱い、しかも圧倒的な画力と演出で、日常の延長にある性愛をドラマとして成立させている。「夫婦が思い切りセックスできること」が、これほどまでにドラマチックだとは……!

ちなみに本作のパパは、ママと2人きりの時間には「妻を欲する夫」に戻ります。でもセックス中もお互いを「パパ」「ママ」と呼ぶんです。こんなTL、私は読んだことがなかったので脳がバグりそうになりました。“優しいパパ”と“雄々しい夫”の両立、やばすぎる。

もちろんHシーンの迫力は折り紙付き。少しでも気になった人は、ぜひ手に取ってみてください。

余談&余談

余談1 ゴジラVSキングギドラ

余談ですが、私は月に1回、エロマンガライターの新野安さんと「がるまに定点観測」という公開読書会のようなものをしています。毎月、売り上げランキング1〜3位の作品を読んで感想を語る企画です。

そこで「子煩悩で優しい夫、絶倫雄々野獣形態に戻る」について話したときに出てきたのが、「この夫婦=ゴジラVSキングギドラ」説。性的に最強なパパ&ママが、恵体と絶技を駆使してぶつかり合っていてヤバい、という意味です。このブログではパパの話ばかりしてしまいましたが、ママも負けず劣らずとんでもなく強い。そこだけは最後に書き残しておきます。

44分くらいから「子煩悩で優しい夫、絶倫雄々野獣形態に戻る」の話をしています。

余談2 「龍の執戀」ってTL小説がめちゃくちゃ面白いよ

本当に余談も余談ですが、“子育てしているパパ”つながりで言うと草野來さんのTL小説「龍の執戀」がめちゃくちゃ面白いのでオススメです。ヒーローは血のつながりのない息子を育てるシングルファザー。ヒロインはヒーローが育てている子供の実の母親です。ヒーローの職業がヤクザということもあり「子育てをしている家庭的な夫婦」ではまったくない(少なくとも最初は)うえに、ジャンルとしてはシークレットベビーものの亜種ですが、とても人気で2巻まで刊行されています。

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