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「私はおかず先輩に食べられたい。」才手けい【TLマンガ感想】

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自腹で買った本当に面白い作品のレビュー、今回は才手けいさんの「私はおかず先輩に食べられたい。」です。単行本が全3巻で発売されています。このレビューが、購入の参考になれば幸いです。

目次

TLなのにHしない!? エポックメイキングな作品

商業連載のTLマンガには「1話に1回はHシーンを入れる」というお約束があります。たぶん。

少なくとも私が読んでるTL作品はだいたいそうです。

才手けいさんの「私はおかず先輩に食べられたい。」は、そのジャンル特有の制約に果敢にチャレンジした作品だと思っています。

なんと、ヒロインのひとみとヒーローの榎田先輩はなかなかHしません。

でもTL好きの皆さん、安心してください。2人のHシーンはめちゃくちゃ見られます。

どういうことか?

才手けいさんはこの作品について単行本で、

「TL漫画なのになかなかえっちしないラブコメ」を描きたくてうまれた漫画

と書いています。

ヒロインのひとみは超妄想女子。元カレである榎田先輩を“おかず”に、Hな妄想を日夜繰り広げているのです。

「私はおかず先輩に食べられたい。」は単行本全3巻で刊行されている作品。ですが、2人が本当にHするのは最終3巻。それまではほぼ毎話、ひとみが妄想した先輩とのHなんです。

TL界では本当にエポックメイキングな作品だと思います!

ヒロインの妄想Hで物語が持つの?本当に面白いの?と思うかもしれません。

本当にめちゃくちゃ面白いですTLとしてもマンガとしても超魅力的で、何度も読み返しています。

声を大にして伝えたい、榎田先輩のかわいさ

「私はおかず先輩に食べられたい。」は、ひとみの妄想&ひとりエッチが物語のギミックとして機能しています。

TLでお約束とも言える「1話に1回はHシーンを入れる」は、早々にセックスをする仲になる……つまり物語がテンポよく進むというメリットがありますが、2人の気持ちをじっくり描くのに制限が入るということでもあります。

その制限を「ひとみが妄想の先輩とHするシーン」というからめ手でかわすことで、現実の先輩とひとみの恋を丁寧に描けるんですね。

妄想の先輩と、現実の先輩がちょっと違うのも面白いんです。

ひとみの妄想の先輩は、意地悪で強引。冷静にひとみを翻弄します。要は美化されています(笑)。

一方、現実の先輩はひとみが大好きで、ハイスペックなのに実は余裕がないんです。ひとみに翻弄されています。

「私はおかず先輩に食べられたい。」の魅力はいろいろあるのですが、声を大にして伝えたいのがヒーローである榎田先輩のかわいさ。

いえ、ぱっと見は完全無欠のハイスペック男子なんです。

優しくてカッコよくて気遣いができて仕事ができる。タバコを吸っているのも優男風の容姿とギャップがあっていい。

そんな榎田先輩……ひとみの前でだけ、めちゃくちゃ赤面します。

かわいすぎる。

男性の赤面、本当に最高ですよね。だって、ヒロインの言動にドキドキしてる証拠ですから。

仕事中や男性との会話ではクールな印象なのに、ひとみと会話したり、ひとみのことを考えたりすると途端に赤面してしまう。

そんな先輩がかわいくて、私はソファで暴れ回りたくなる。

女子のひとりHを当然のように描いているところもいい

「私はおかず先輩に食べられたい。」はジャンルとしては「再会・復縁もの」です。

学生時代に別れてしまった男女が、社会人になって再会。両片思いの末、再び付き合う。

言ってみればそれだけの話なのですが、“それだけの話”がすごくロマンチックに、ドラマチックに描かれていて、才手けいさんのストーリーテラーとしての能力の高さを感じます。

私はおかず先輩に食べられたい。 1【電子限定描き下ろしマンガ付】

ひとみと榎田先輩の悩みが等身大なことも、物語の魅力を高めていると思います。

2人が1度別れた原因は、簡単に言ってしまえばお互いに大好きなのに本音が伝えられず、お互いに向き合えなかったこと。

大人になり、未練を引きずる2人が「今度こそは」とがんばっている姿を見ると、自己開示……腹を割って話すことの大切さがわかります。気持ちを素直に伝えるのは、相手を信頼してるってことなんだなと。

私が特に好きなのは、先輩がひとみに告白するシーン。先輩の手が震えてるのに気付いたひとみは、先輩に安心してほしくて「だいすきです!」と言うんです。

先輩が勇気を出して積年の思いを伝えたことも、ひとみが震えている先輩を見てすぐに自分の気持ちを伝えたことも、お互いを大切にしているのがわかって尊くて泣きそうになりました。

また、女子のひとりHを当然のように、気軽に、コミカルに描いているところもすごくよくて。

肩肘張らずに女性の性欲を肯定しているところが今っぽくて素敵な描き方だなと思いました。

全3巻できれいに終わっているので、ぜひ読んでみてください。

単行本は描き下ろしが収録されていてオススメです。

なんと「DLsiteがるまに」でシチュエーションボイスも発売されています。

私はおかず先輩に食べられたい~とろとろ微睡みえっち~

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