面白くて夢中で読み進めて、最後に「あれ、終わらない……？」と気付いた。
でもこの「死刑宣告された賢女が嫌われ王子に溺愛されて、幸せになるまでの物語・前編」、98ページもあるんですよ！ 前編だけで！
ということで、「前編だけ読んだ状態の感想である」ことをご承知おきください。
前編だけでもとても読み応えがある歴史ロマンスTLです。
R18の乙女向けのTL同人です。ほんっとうに萌えるので18歳以上の人はぜひチェックしてみてください。このレビューが、購入の参考になれば幸いです。
「幼なじみの再会もの」であり「両片思いすれ違いもの」
「死刑宣告された賢女が嫌われ王子に溺愛されて、幸せになるまでの物語・前編」は、メンタルが限界な“嫌われ王子”シメオンと、処刑寸前の賢女アリエナのラブストーリーです。
“賢女”というのは、村の産婆、語り部、占い師などの役割を担う女性のこと。
そんなアリエナは、村の人たちからも慕われています。
でも、暴動の扇動という冤罪で投獄されちゃうんですね。
その地下牢で会ったのが、非道な行いで自国民からも嫌われている王子シメオン。
実は2人は幼友達でもあり、12年ぶりの再会でした。
幼い頃の優しい面影はどこにもなく、酷薄な言葉をぶつけるシメオンでしたが、処刑待ったなしのアリエナに、ある提案をします。
「処刑されたくないなら手を貸してやる。俺の子を孕め」
この国では妊婦の処刑は禁じられているので、もし妊娠したら処刑まで数カ月猶予が与えられます。その間に、王の怒りが収まるかもしれない。
生き延びるため、シメオンの提案を呑むアリエナ。その日から地下牢での陵辱の日々が始まって……。
「言葉」と「表情・行動」の食い違いにめちゃくちゃ萌える
そう、みんなの大好物（主語がでかい）である「幼なじみの再会もの」＆「両片思いすれ違いもの」なんです。
シメオンはたぶんなんらかの理由があり、“嫌われ王子”や“酷薄公”という蔑称を甘んじて受け入れています。アリエナにも「淫売」「俺がお前を躾けてやる」などなど言葉責めしまくり。冤罪で投獄という心身ともに過酷な状況のアリエナを気遣う言葉はなく、かなり冷たい。
でも、ヒロインが無意識に煽ったときに素の純情そうな表情を見せてしまったり、陵辱も結果的にヒロインを救うことに繋がってたり、なりゆきでするプロポーズのときの目がガン決まってる必死な表情だったり、「言葉」と「表情・行動」の食い違いにめちゃくちゃ萌えます。
きっと、後編で「なんらかの理由」が種明かしされるはず……（前編でも匂わせはありましたが）。本当に楽しみです。
肉と肉の摩擦とか質感とか重さとかが、真に迫ってくる
TLでのキモ、H描写もすごい。
もうね、「肉感」が……「肉感」が素晴らしい。
挿入するときの肉と肉の摩擦とか質感とか重さとか、真に迫ってきました。
絵が上手なのはもちろんのこと、構図が巧みでH描写に迫力があるんです。
めちゃくちゃ頭悪そうな感想になるんですが、「シメオンのアレでっかい！……からの、アリエナの尻でっかい！……うおおおおお」みたいに、読んでて楽しくて（笑）。
それに、体はお互い気持ちいいのにどこか物悲しい雰囲気が漂うのも好みでした。
地下牢という非日常の舞台設定も、この作品の雰囲気を作り上げるのに一役買っていると思います。この物語では「地下にある牢屋」ではなく、「土に穴を掘って作った井戸みたいな牢屋」なんです。
例えばよくある（？）鉄格子の牢屋って、周りから丸見えな印象ありませんか？
でも井戸タイプの地下牢って前後左右と下方向は塞がれていて、上方向のみが空いている。鉄格子の牢屋より閉鎖的で、お互いに集中できるのかもしれません。 作者の鬼頭えんさんは地下牢がお好きなようで、Twitterにも投稿していました。
サンプルをチェックしてみて（私はサンプルのみで即座にポチった）
DLsiteがるまにのページにサンプルがアップされているので、ぜひチェックしてみてください。
サンプルはこちら！ちなみに後編の配信日については巻末には書いてありませんでした（2023年6月12日現在）。タイトルが「死刑宣告された賢女が嫌われ王子に溺愛されて、幸せになるまでの物語」なので、絶対幸せになれるはず……（笑）。
後編を楽しみに待ちます！
2023年9月11日まで、15%オフです。
