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誇張ぬきで100回以上は読み返した海外ロマンス小説9作+α【ファンタジー・SF編】

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“海外ロマンス小説”というジャンルをご存知ですか?

簡単にいうと、海外(特にアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなど)の作家が書いたラブストーリー小説です。特徴はなんと言っても「ハッピーエンド」! そう、幸せな気持ちで読了することが約束されているラブストーリーなんです。

日本ではいち時期より刊行点数が減り、刊行レーベルも少なくなってきています。

特に中学生だった私を「海外ロマンス沼」に落とし込んだ「時の旅人クレア」を刊行したヴィレッジブックスが出版事業の刊行を終了した衝撃は大きかったです。2022年の12月でした。

「時の旅人クレア」は「アウトランダー」シリーズの1作目。
「アウトランダー」はドラマ化されて、日本でも放送・配信されたので知ってる人も多いかもしれません。
いま、小説はハヤカワ文庫から刊行されています。

現状、ジャンルとしてはかなり細々しているのですが、女性の自立や燃えるような恋を堪能できる素晴らしい作品が多く、少女マンガやティーンズラブが好きな方は高確率で沼落ちするんじゃないかと思っています。

ただ、リアルですすめても本を貸しても読んでくれる人があまりおらず……。なのでインターネットでおすすめします(笑)。

今回は大好きな「パラノーマル(paranormal)」というジャンルを中心に紹介しようと思います。

「科学的に説明できない、超常的」といった意味ですが、人外との愛が描かれるジャンルです。ファンタジーやSFといったほうが通りがいいかもしれません。

なお翻訳小説は絶版になりやすく、刷り部数も少ないので時が経つにつれ手に入れにくくなるという特徴があります。理由としては契約期間というものがあることらしく、海外ロマンス小説をいまも刊行してくれている二見書房さんのツイートがわかりやすいです。

また、新刊だと1冊の値段も比較的高価です。今は文庫で1冊1400円くらいする。

でも!それでも!マジでめっちゃグッとくるラブストーリーが多いんです!

そんな宝の山のなかから、私が誇張抜きで100回以上読み返してる作品を紹介します。大人になってから、私は本を読み返すことが減ったんですが、なぜか海外ロマンス小説は読み返す率が高い。何度読んでも本当に面白く、毎回新鮮に悶えます。

今回紹介する本はかなり古いものもあり、中古市場にしかなかったり電子書籍がなかったり手に入らなかったりするかもしれません。でも入手できるようならぜひ!読んでみてください。

目次

ダラ・ジョイ「星空がくれた恋人」

「運命のマトリックス」シリーズの1作目。SFロマンスコメディです。

ヒロインのディーナはボストンに住む普通のOL。ある日仕事をクビになり、暗い気持ちで家に帰るとなぜかリビングにゴージャスな男が現れました。彼の名はロアジン。たまらなくハンサムだけど奇妙な格好をした彼は、宇宙の危機を救うために旅に出たアラビラ星の騎士だったのです。

ロアジンはディーナを自分の惑星系に連れ帰り、ディーナは地球では味わえない恋と冒険を繰り広げます。

自分の常識とはまったく違う、未知の世界を冒険するというストーリーもさることながら、ディーナとロアジンの生まれ育った環境が違うからこそのすれ違い(心情的に重いものではなく、コメディチックです)が楽しくて。

「時の旅人クレア」育ちの私にとって、ヒーローがヒロインを愛称で呼ぶってのはかなり好きな設定なのですが(サセナッフ……)、「星空がくれた恋人」のロアジンもディーナのことを愛情を込めて「リトル・ファイアー」や「ガルタ」と呼ぶんです。「ガルタ」がなんだかわかったとき、ディーナは激怒するのですが(笑)。

実はダラ・ジョイはこの「星空がくれた恋人」が初邦訳。そして現在、この1冊のみです……。「運命のマトリックス」“シリーズ”なのに……。ただ、海外ロマンス小説は基本的に1冊で完結します。なので「星空がくれた恋人」だけでディーナとロアジンの恋はばっちり楽しめます。

でも、2作目が本当に読みたい……! 訳者さんのあとがきによると、2作目のヒーローは「星空がくれた恋人」で大活躍したリジャーとのこと。「星空がくれた恋人」は2009年に日本で刊行された作品だし、幻冬舎のラベンダーブックスはもう刊行終了してるしでかなり絶望的ではあります。

Netflixあたりが実写化して、日本でも再刊行&続編の初邦訳決定したりしないかな……。

海外ロマンス小説が原作の「ブリジャートン家」の成功で、Netflixに夢を見すぎているかもしれない。

クレスリー・コール「満月の夜に」「幻の花嫁」「光と闇のはざまで」

読むたびにお腹がぎゅううっとなるほど好きな「ローア」シリーズの3作です。

この「ローア」シリーズは、日本のオタク女子や厨二病にブッ刺さる設定なんじゃないかと思っています。

「ローア」というのは、人外が形成する社会のこと。ライキー、ヴァンパイア、デーモン、グール、セイレーン、魔女、ヴァルキリーといった人外の生き物は、自分たちの種族を人間にはあえて創造の産物だと思わせて、この世界でひそかに共存しているという設定です。基本的にはかなり長寿でほとんど不死ですが、首を落とされたりすると死にますし、種族固有の弱点もあります。不死の生き物たちが増えすぎないよう、500年に1度だけ自然発生的に「大決戦」と呼ばれる争いが起こるのですが、物語の舞台は「大決戦」が迫り、種族間の関わりが増えている現代です。

マジでグッとくるポイントなのが、一部の種族には「番(つがい)」のような「運命の人」がいるんです。例えばライキーだと「伴侶」、ヴァンパイアだと「花嫁」といったふうに。長寿な人外種族は自分の運命の人を何よりも求めていて、見つけたら過激に求愛し、過保護に守り、溺愛します。

そんな「ローア」シリーズの1作目が「満月の夜に」。ヴァンパイアの父とヴァルキリーの母を持つエマ、そしてライキーの王・ラクレインのお話です。ラクレインはヴァンパイアに捕まり、150年間も拷問されていたのですが、ある日伴侶の気配を感じ、自分の足を千切ってまで脱走。エマを見つけた時は長年の拷問と脱走の無理がたたってほとんど正気ではなく、またヴァンパイアの気配をさせるエマが自分の伴侶だとは信じられず、かなり手荒い対応をしてしまいます。でもエマを手放せず、無理やり自分の領地に連れ帰るのですが……。

ラクレインは強引of強引なんですが、エマはしなやかで強い女性なので負けずにやり返します。正気を失いかけ、やっと出会えた伴侶とはうまくいかなくてピリッピリしてるラクレインが本当にいい。この作品を翻訳してくれたソフトバンク文庫と訳者の松井里弥さんには本当に感謝です。ソフトバンク文庫ももうないけど……。

現在、「ローア」シリーズは6作が刊行されています。全部大好きなのですが、私が特に好きで何度も何度も読み返しているのは1作目の「満月の夜に」と4作目の「幻の花嫁」6作目の「光と闇のはざまで」です。

「幻の花嫁」はヴァンパイアとバレリーナの幽霊の恋、「光と闇のはざまで」はデーモンと女魔道士の恋です。

「幻の花嫁」は肉体のない幽霊と、正気を失いかけているにもかかわらず彼女が大好きで過保護に接するヴァンパイアが切なくて最高。

「光と闇のはざまで」は小悪魔(大悪魔……?)女子に振り回される堅物デーモンが見ものです。

「ローア」シリーズ、見つけたら即買いだと思います。

そして「星空がくれた恋人」とまっっっっったく同じ話を繰り返しますが、海外ではシリーズは出続けていますが、日本では2011年に刊行された「光と闇のはざまで」で止まっています。ソフトバンク文庫ももうありません。

Netflixが……(以下略)

ナリーニ・シン「黒き狩人と夜空の瞳」

超有名な「サイ=チェンジリング」シリーズの1作目です。

このシリーズは超能力者(サイ)動物に変身する種族(チェンジリング)、そしてふつうの人間(ヒューマン)が共存する近未来を描くパラノーマルロマンス。2023年現在、シリーズ13弾まで扶桑社ロマンスから刊行されています。

設定がめちゃくちゃ面白くて骨太です。超能力種族は「暴力犯罪のない社会を実現するため」というお題目で、幼い頃にサイレンスという厳格な教育プログラムを施されます。そこで怒り、嫉妬、ねたみ、喜び、愛情などの感情を抱かないよう“条件付け”されるんです。

1作目のヒロインのサッシャは、サイの中でも希少な特級能力者(カーディナル)で、サイらしく無慈悲・非情・冷淡……に見えるんですが、実は感情豊か。でも、サイに感情があると恐るべき更生施設に入れられてしまうので必死に隠しています。

そんなギリギリ状態のサッシャが出会ったのが、豹チェンジリングのリーダーであるルーカス。猫科らしくちょっと気だるげで危険な雰囲気がありつつ、群れのアルファらしく保護欲全開のイケメンです。そんなルーカスがサッシャに“なでなで”されるのを楽しんだり(猫科だから)、「どうしたんだい、子猫ちゃん?」と話しかける姿、ゾクゾクします。

どのシリーズも面白いのですが、私は1作目が大好き。それからシリーズ12弾、サイ同士の愛がテーマの「黒曜石の心と真夜中の瞳」も特にお気に入りです。「黒曜石の心と真夜中の瞳」のダークヒーロー・ケイレブの一途さに夢中になります。ヤバい男の純情って本当に萌える。

そして、また同じようなことを書きます……。「サイ=チェンジリング」シリーズの今のところの最新刊である13弾「冬の盾と陽光の乙女」が刊行されたのは2017年。ただ、扶桑社ロマンスさんは海外ロマンス出版界の老舗で、今も素晴らしい作品を刊行してくれています。なので私は続刊に希望を持っています!

クリスティン・フィーハン「愛がきこえる夜」

「闇の一族カルパチアン」シリーズの2作目。このお話から読んでも問題なくストーリーを堪能できます。

シリーズ名にも入ってる「カルパチアン」とは、作者のクリスティン・フィーハンが創造した種族です。人間の血を糧としますが、命は奪いません。さまざまな生きものに姿を変えられるシェイプシフターで、不死身の肉体を持っていますが、カルパチアンの男性は200歳を超えると色覚を失い、喜怒哀楽を一切感じなくなるという宿命を背負っています。そして心の闇に耐えられなくなると、人間をいたぶって殺すことに快感を覚えるヴァンパイアに変異してしまうんです。

カルパチアンの男性がヴァンパイアに変異するのを防げるのは、ライフメイトと呼ばれる運命の伴侶だけ。カルパチアンの男性はライフメイトを過保護に愛します。

「愛がきこえる夜」のヒーロー・ジャックもカルパチアン。とある理由のため人間に拷問され、瀕死の状態のまま何年も地下室に閉じ込められていたため肉体も精神もボロボロです。

それを救ったのがヒロインのシェイ。医師である彼女は、出生の秘密を抱えて逃げた先のカルパチア山脈でジャックと出会います。ジャックは1作目のヒーローの弟なのですが、なんというかわがままで甘えたでけっこう“弟感”が強くてかわいいんです。正気を失いかけていることもあり、シェイを側に止めようと必死な姿がいい。

ちなみにアメリカでは大人気シリーズらしく、2010年時点で第21作まで刊行されていたとか。残念ながら日本では「闇の一族カルパチアン」シリーズ2作目の「愛がきこえる夜」が2010年に3作目の「夜霧は愛とともに」が2013年に発売されて以降、シリーズの刊行は止まっています。でもシェイとジャックの物語にはFinマークがついてるので、この1作だけでも楽しめます。

※ご指摘いただき修正しました! 続刊出てたのうれしすぎる。

日本ではパラノーマルがあんまり人気ないのかな……本当に面白いのにな。

J・R・ウォード「永遠なる時の恋人」「運命を告げる恋人」

「ブラック・ダガー・ブラザーフッド」シリーズから2作を紹介します。

シリーズ2作目の「永遠なる時の恋人」と3作目の「運命を告げる恋人」は、可能なら私が死んだときに一緒に棺に入れて燃やしてほしい。死んでも読みたい。それくらい好きです。

「ブラック・ダガー・ブラザーフッド」シリーズは、日本語で「黒き剣兄弟団」シリーズとも言われています。黒き剣兄弟団は、鍛え抜かれたヴァンパイア戦士の集団。殺戮者の団体・殲滅協会からヴァンパイア種族を守るために戦っています。骨太で壮大なファンタジーで、残酷なシーンもありますがたまらなく面白いシリーズです。

2作目「永遠なる時の恋人」のヒロインは人間の女性・メアリ。死病を患っています。ヒーローは兄弟団の1人、イケメンすぎて“ハリウッド”とあだ名されるレイジです。大きくて陽気でプレイボーイ、でも暗い一面もあるレイジは、メアリを一目見て(というか一声聞いて)恋の虜に。でも余命いくばくもない彼女は、生命力に溢れたレイジと付き合うことにためらいがありますし、ヴァンパイアは人間に正体を知られたら記憶を消さないといけないし、レイジ自身にも隠しておきたい体の秘密があり、戦闘するか女性を抱くかして発散・消耗しないといけません。そしてレイジはメアリが好きすぎて大切にしたくて抱けないという八方塞がり状態。

2人の恋は本当に前途多難で、お互い好きなのにどうしようもできなくてすれ違ってしまい、切なくて胸がときめきます。本当におすすめです。

3作目「運命を告げる恋人」はヴァンパイア貴族の娘・ベラと、兄弟団イチ破滅的なザディストが主役です。

ザディストの恋愛の前に立ちはだかる障害が半端じゃない。

ザディストは奴隷として虐待された過去があり、「ただ壊れているのではない。破滅しているのだ」と書かれるほど体にも精神にも大きな傷があります。さらに誰かに触られることが無理。そして唯一少しだけ心を開いている双子の兄弟・フュアリーも、ザディストと同じくベラが好きで、ザディストもフュアリーの気持ちに気付いています。その上ヒロインのベラが敵に誘拐され、つらい体験をしたことから、ザディストはベラの「ザディストが好き」という気持ちを真正面から受け止めず、正気に戻れば自分のことは相手にせず、フュアリーを選ぶと信じて疑いません。

そんな2人が初めて結ばれるシーンとその後が、この物語の白眉です。女ヴァンパイアには5年に1度から10年に1度「欲求期」というものがあり、受胎可能となって性的欲求が旺盛になります。男ヴァンパイアはそれに呼応して、のっぴきならない羽目に陥ります(笑)。

それをきっかけに初めて2人は結ばれ、とんでもなく過激な時間を過ごします。その後にザディストがベラに食べものを持っていくシーンがあるんです。そこでベラにあげるためにターキーのおいしい上等なところだけを削ぎ落として、切れ端やあまり質の良くない部分は自分で食べる、という描写があります。

ここ、マジで愛でしかない。

その後も自分はベラにふさわしくないと思いながら、どうしようもなく尽くすザディストに毎回読むたびに涙ぐみます。

シェリリン・ケニヨン「漆黒の旅人-ザレク」

「ダークハンター」シリーズの第3弾。第3弾ですが、ここから読んでも大丈夫です!

タイトルにもあるダークハンターのザレクが今作のヒーロー。古代ローマ帝国に生まれた彼は、実父や兄弟から壮絶な虐待を受け、世の中に恨みを持ちながら非業の死を遂げます。「ダークハンター」とは邪悪なものから人間を守るために女神アルテミスが作った戦士たち。ザレクは死後にダークハンターとなっても極めて粗暴で、愛されることを知らず、根深い人間不信に陥っています。人を傷つけずにはいられない。そんな彼にアルテミスは愛想をつかし、長い間彼をアラスカに幽閉します。

なんだかんだでザレクは神々から刺客を放たれるのですが、ダークハンターのリーダーであるアケロンがザレクを不憫に思い(言動はかなり誤解を招くんですが、ただただ不運な男なんです……)、彼を裁判にかけて無実を証明しようとします。

その裁判官に選ばれたのが、正義の女神テミスの娘・アストリッド。今作のヒロインです。

アストリッドは公平であろうとしながらも、荒々しいザレクの中にある繊細さ、壮絶な過去を経てもなお残る不器用な優しさに魅了されていきます。ザレクも初めて自分をきちんと扱ってくれるアストリッドにどんどん惹かれていきます。

立ちあがって、彼女をそのまま置き去りにすべきだ。

でもできなかった。

こんな大切なものを差しだしてくれたひとは、これまでいなかったから。

アストリッド以外に。

(「漆黒の旅人-ザレク」p368)

このあたりからの描写の尊さといったら。

粗野で凶暴な獣を手懐け、飼い慣らしていく様子が好きな人は絶対好きだと思います。

100回は読み返してないけど何度も読み返した大好きなパラノーマル作品

ジーナ・ショウォルター「オリンポスの咎人」シリーズ

イローナ・アンドルーズ「Hidden Legacy」シリーズ

ゲイル ・キャリガー「英国パラソル奇譚」シリーズ

シャンナ・スウェンドソン「(株)魔法製作所」シリーズ

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