自腹で買った本当に面白い作品のレビュー、今回はおやぬさんの「戦傑の花嫁」です。各電子マンガサイトで単話版が配信されていましたが、紙での単行本化も発表されました! このレビューが、購入の参考になれば幸いです。
あらすじ
「私の終(つい)の場所は 敵国…」帝国の貴族として生まれたイルサは、ある日戦争で家族を亡くしてしまう。領地権も失い、行くあてもない…。仕方なく軍の戦船へ下女として赴くが、そこで敵国である連邦の襲撃に遭遇。逃げそびれたイルサは海に落ちてしまうが、目が覚めると連邦の虜囚(りょしゅう)になっていて……。
そのまま『一の戦士(エインヘリ)』と呼ばれる英雄シグワルトに奴隷として連れていかれたイルサ。きっとひどい扱いを受ける、そう思っていたのに……? この出会いは運命なのか? 懸命に生きる二人の愛を描いた本格ファンタジーのティーンズラブ、ここに開幕!
年下最強戦士が気丈で儚い美女にどハマりしていく姿、マジで最高
おやぬさんの作品は「だったら俺に惚れてしまえ」も「蓮透博士のかわいいアクマ」も「恋する秘文の戦士たち」も好きなんですが、現時点で「一番好きなのは?」と聞かれたら「戦傑(エインヘリ)の花嫁」と答えます。
理由は年下の最強戦士と気が強いけど儚い美女が恋に落ちていく過程にギュンギュン惹かれるから……でしょうか。
曖昧な伝え方になってしまうのは、おやぬさんの作品の独自性ゆえかもしれません。
ジャンル分けに意味があるかはわからないのですが、おやぬ作品は性描写がメインとなる「TL」というより、「性描写のある少女マンガ」というほうがしっくりきます。
性描写はしっかりあるけど、重点は別のところにある。
ヒロインとヒーローが出会い、関わり合っていく中で成長したり、心情が変化したりといった過程が、しっかりした世界観の中で描かれていきます。
ほかのTL作品にも成長や変化はあるのですが、おやぬ作品はそちらの比重が強めな印象です(もちろん成長や変化を描くからすごいとかすごくないとかはありません)。
おやぬさんが描くキャラクターは、特にヒーローがかわいいんです。
だいたい超ハイスペックなのに、一途で健気で、ヒロインのことを女神だと思ってる節がある。
特にヒロインの仕草や言動のかわいらしさにクリーンヒットを受けて、眉間に皺を寄せている表情がたまりません。
「戦傑の花嫁」が一番好きと書きましたが、それは私の好みの問題。
「戦傑の花嫁」を読んでみて気に入った人は、ほかのおやぬ作品にもきっとハマると思います。
「戦傑の花嫁」はヒーローのシグワルトの年下攻めがマジで最高なんです。戦士として抜群に有能で、周りからも期待されまくってモテモテ、年齢にそぐわぬ余裕がある少年が、年上の気丈で捻くれてて儚い美女イルサに惹かれていく。いいわ~!
マンガとしての表現も面白くて、画面はグレーを基調に全体的に淡い色調で描かれています。
舞台のモデルである北極圏(ノルド)は、光が弱い世界。その幽玄で儚く暗い美しさを表現しているそう。
こういうこだわりや知識、知らなくても全然いいんですが知ってると「へ~!」って思いながらマンガを楽しめますよね。
「戦傑の花嫁」単行本化! 紙派も読めるよ
「戦傑の花嫁」は一迅社のTLレーベル・LOVEBITES(ラブバイツ)の作品(ちなみにLOVEBITESのコンセプトは「夜専用、少女漫画」だそうです)。
全4話でサクッと読めるのですが、読み応えは十分。
でも続きが読みたい~!もっと2人を読んでいたい~~‼︎と悶えています。
第1話はKindle Unlimitedの対象なので(2023年1月時点)、Kindle Unlimitedに入ってる人はぜひ読んでみてください。
私は単話売りを買っていたのですが、なんとLOVEBITESは「紙コミックスを確約」しているレーベルらしく、単行本化が発表されました!
「恋する秘文の戦士たち」1巻と同時発売とのこと(「恋する秘文の戦士たち」は1巻表記なのですが、「戦傑の花嫁」には巻数表記がない……)。
紙派の方も読めますね。
「恋する秘文の戦士たち」は「戦傑の花嫁」の数年後が舞台で、2作は繋がっています。「恋する秘文の戦士たち」も面白くてオススメです。
↑単話版の第1話です。Kindle Unlimited対象。
↑紙派の方はこちらの単行本を。
↑「恋する秘文の戦士たち」もオススメです。こちらは単話版の第1話。