自腹で買った本当に面白い作品のレビュー、今回はありしろいちやさんの「少年王と年上王妃」シリーズです。「少年王と年上王妃」「少年王と年上王妃2」「少年王と年上王妃 EverAfter」の3作を読んでの感想となります。ネット広告で見たことがある人も多いかもしれません。R18作品ですが、ほんっとうに萌えるので18歳以上の人はぜひチェックしてみてください。このレビューが、購入の参考になれば幸いです。
2020年にがるまにで一番売れた乙女向け同人
「少年王と年上王妃」は、商業でも活動しているありしろいちやさんの同人作品です。2019年12月に「DLsiteがるまに」で発売され、「乙女向け同人 ランキング （2020年）」で総合1位と大人気に。
その後シリーズ化もされ、続編となる「少年王と年上王妃2」が2020年8月に発売、番外編となる「少年王と年上王妃 EverAfter」が2022年3月に発売されました。
「DLsiteがるまに」が特設ページを作るくらい、大ヒットしたシリーズです。
「おねショタ」ではなく「ショタおね」
1作目の「少年王と年上王妃」では、ヒロインのシャルロットは18歳、ヒーローのアンリは12歳。王と王妃の事故死により10歳にして国王となったアンリは、宰相家の令嬢シャルロットと政略結婚します。
シャルロットは幼くしてあまりに過酷な境遇に置かれた少年王を“妻ではなく家族として”支えようと決意。アンリがいつか誰かと恋をするときが来たら、その背を押してあげることを誓うのです。
シャルロットは“家族”愛でアンリを包もうと思っているため、“夫婦”としては一線を引いています。
ところがどっこい、当のアンリはそんなシャルロットの健気な思いは知りつつ、シャルロットと家族＝夫婦になる気まんまん。
結婚して2年後のある夜、天使のような美しい風貌で「私のつくる子種はすべて君に注ぐと決めていた」と、精通しないように自慰も抑えてきたと仰天発言。シャルロット（と読者）を驚かせます。
ヤバショタすぎて笑いました。
歳の差、そして政略結婚ということもあり、本当の“夫婦”になることを諦めているお姉さんヒロインに、スーパーショタがその愛をわからせます。
「少年王と年上王妃」1作目でめちゃくちゃすごいと思ったのは、最初の1ページ目以外ずーーーーっとベッドで物語が展開するんです。
2人だけの寝室で、2人の心情と思いを伝える性行為に焦点が当てられます。
そしてこの作品を語るうえで絶対に外せない要素は「ショタおね」。
「おねショタ」ではなく「ショタおね」です。
10歳のときのシーンでは年相応の幼い描写も見られましたが、その2年後には驚くほど精神的に成長していたアンリ。成長せざるを得ない環境だったのと、シャルロットを愛するために急いで成長したと考えると健気ですよね。
「ヒロインの心の準備ができるまで待つ」というヒーローは数多いましたが、「ヒロインを愛し尽くせるよう自分の体が成長するのを待つ」というヒーローは初めてでした（笑）。年下攻めの話が好きな人にはぜひ読んでほしいです。
少年王と年上王妃
ショタで始まり、スパダリで終わる
1作目は「ショタおね」でしたが、2作目「少年王と年上王妃2」はその4年後のお話。もともと早熟なアンリはより成長を遂げ、立派な国王となっています。シャルロットの身長も抜かし、若獅子のように雄々しく華やかな若者に成長。国王として善政を敷く。シャルロットのことは毎日抱く。まごうことなきスパダリです。
少年王と年上王妃2
「ショタおね」ですごくヒットにもかかわらず、2作目でヒーローを成長させたありしろいちやさんの胆力。
アンリはショタではなくなりましたが、もちろんシャルロットとの歳の差は埋まりません。
シャルロットはアンリの愛を感じつつも、いつか若く美しい年頃の少女たちにアンリが目を奪われると不安を抱えています。スパダリ・アンリのすごいところは、シャルロットの不安を見抜いて正確に言語化する能力。シャルロットの不安（と2人のとある問題）を解消するため、言葉と行動で愛の深さをわからせます。
ショタからスパダリに進化する様子を見せてくれて感謝……！
シリーズ3作目の「少年王と年上王妃 EverAfter」は番外編。2人のラブラブいちゃいちゃっぷりが全面に出た作品に仕上がっています。
もうシャルロットもアンリの愛を疑っていないので2人ともいい意味で力が抜けており、アンリの年下っぽい悪戯やあざとさ、シャルロットのピュアな年上っぷりをシリーズで一番感じました。
少年王と年上王妃 EverAfter
このシリーズは、現在は「DLsiteがるまに」だけでなく各電子書店で買えます。自分が使っている電子書店で探してみるのがいいと思います。
