MENU

【本屋大賞2025】翻訳小説部門 第1位「フォース・ウィング」が面白すぎる

  • URLをコピーしました!

このブログではアフィリエイトを利用しています。ブログに貼ってある広告からマンガや小説、モノを購入していただくと、ブログ主が次に買うマンガや小説の足しになります。

2025年の本屋大賞・翻訳小説部門で、レベッカ・ヤロスの小説「フォース・ウィング ―第四騎竜団の戦姫―」が第1位に選ばれました!

いや〜めでたい! 「フォース・ウィング」、本当に面白いもん。

「推しは推せるときに推せ!」ということで、今回はこの翻訳ファンタジー小説の魅力をたっぷり紹介します。

「2025年本屋大賞」公式サイトより。
目次

「フォース・ウィング」とは? アメリカで大ヒットしたファンタジー小説

アメリカで爆発的ヒットを記録

「フォース・ウィング」はアメリカの作家レベッカ・ヤロスによるファンタジー小説シリーズです。

2023年に1作目と2作目が刊行され、瞬く間に大ヒットしました。
2024年のアメリカ・ベストセラーランキングでは、1作目・2作目ともにトップ10入り。英語圏での累計売上は600万部を突破しています。

シリーズは全5部作の予定とのこと。アメリカでは第3巻「Onyx Storm」まで発売済みで、同作のAmazonレビューは驚異の20万超・星4.6。

レビュー20万越えはすごすぎ

新ジャンル「ロマンタジー」の代表作

「フォース・ウィング」は、話題の新ジャンル「ロマンタジー」作品です。

ロマンタジーとは、「ロマンス」×「ファンタジー」を組み合わせた造語。壮大なファンタジー世界を舞台に、登場人物たちの身を焦がすようなロマンスを味わえる最高のジャンルです。

このロマンタジーが、アメリカの女性読者を中心に爆発的にヒット!

2024年のベストセラーランキング上位10作品のうち、なんと4作がロマンタジー。そのうち2作がレベッカ・ヤロスの「フォース・ウィング」シリーズ、残り2作はサラ・J・マースの作品です。

レベッカ・ヤロスとサラ・J・マースが、“ロマンタジーの2大巨頭”と言える存在でしょう。

サラ・J・マース作品も読みたい……!

ちなみに、webtoon界隈にも「ロマンスファンタジー」という似たジャンルがありますが別物です。

webtoonのロマンスファンタジーは韓国のいちジャンル「로맨스 판타지(=ロマンスファンタジー)」をそのまま翻訳したもの。悪女ものなど異世界ファンタジー系の女性向け作品にこのタグがよく付いています。

このブログで紹介している「オークの樹の下」や「余命僅かだと思ってました!」も、そのジャンルですね。

なぜここまで人気に?

物語の面白さはもちろんですが、ヒットの背景にあるのが「BookTok(ブックトック)」の存在だと言われています。

BookTokとは、TikTokで本を紹介するカルチャーのこと。

詳しく知りたい方は、こちらのnoteがとても分かりやすいです。

日本でも、TikTokの人気クリエイター・けんご@小説紹介さんが筒井康隆「口紅に残像を」を紹介したところ、30年前の小説なのに重版がかかりまくったことが話題になりましたよね(2021年ごろ)。

若者に人気のSNSで人気に火がついて認知度が高まり、大ヒットにつながった事例です。

特にアメリカのBookTokは先述のnoteによると「女性作家の支援とエンパワメント」が盛んなようなので、「フォ-ス・ウィング」もその波に乗った作品のひとつなのかもしれません。

「フォース・ウィング」の魅力は?

「灼けつくような恋と、死を。」

「灼けつくような恋と、死を。」は翻訳版のキャッチコピーですが、まさに本作の核心を突いています。

「灼けつくような恋」

主人公ヴァイオレットと、作中で“やけどしそうな色男”と称されるゼイデン。
この2人の恋が……やばい。ほんとにやばい。

まずキャラがいい。

ヴァイオレット(ヒロイン)

軍の司令官の母と書記官の父のもとに生まれた、頭脳派女子。
本来は書記官志望だったのに、父の死後、母の命令で「竜の騎手」コースへ。
身体は小柄で華奢、関節や骨が弱く、騎手には不向き。

でも努力と根性と頭脳で食らいつく。

ゼイデン(ヒーロー)

190センチ越えで筋肉も逞しいフィジカルエリート。しかも驚くほどの二枚目というおまけつき(最高!)。

反逆者の息子であり、軍関係者から白い目で見られているが、騎竜団の団長に上り詰めた実力派。

性格的にはツンデレというか、後述するある理由からヴァイオレットへ敵意を向けるが、次第に彼女に骨抜きになっていく(この過程がね…最高of最高でね…)。

とてもざっくりとした説明になりますが、2人は因縁の関係です。

ヴァイオレットの母は軍司令官であり、反乱軍の処刑を指揮しました。そして、反乱軍のトップこそがゼイデンの父。さらに、ヴァイオレットの兄は反乱軍との戦いで戦死しています。

家族を殺したり、殺されたりの関係性なんです。

さらに物語の核心を担う「竜」の存在が2人を結び付けます。

ヴァイオレットたちは「竜の騎手」として、それぞれ専属の竜と絆を結んでいます。騎手と竜の絆は強く、騎手は自分の竜が死んだら生きていられません。竜も自分の騎手が死んだとき大ダメージを受け、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされます。

・竜の死=騎手の死

・騎手の死=竜は大ダメージ(死ぬこともある)

そして、騎手と竜以上に強いのが「竜同士のつがい」の絆。

ヴァイオレットの騎竜とゼイデンの騎竜はつがい同士で、深く結びついています。つまり、ヴァイオレットが死んだら彼女の竜が死ぬかもしれない。そしてヴァイオレットの竜が死んだら、そのつがいであるゼイデンの竜が死ぬ。つまりゼイデンも死ぬ……。

要するに、ヴァイオレットとゼイデンは宿敵だけど、お互いの命がつながっている関係なんです。

この幾重にも絡み合った関係で、最初はバッチバチに敵対していた2人が、極限状態の危機を乗り越えるうちにどんどん惹かれ合っていく。

「フォ-ス・ウィング」は、ゼイデンの「おまえを殺す」(言ってない)という殺意から、「おまえなしで生きるぐらいなら、この戦い自体に負けたほうがましだ」(言った)という激重感情が育つまでを見守る話なんです(断言)。性描写もわりと濃いめです。期待していいです。

「フォース・ウィング」、人が死にすぎ問題

そして「灼けつくような恋と、死を。」の「死」の部分。

「フォ-ス・ウィング」の過酷っぷり、もはや笑っちゃうレベルです。

マンガ家のコマkomaさんが「イメージとしてはバトルロワイヤル・ハリポタ!! 体育の授業でクラスメイトが普通にあの世に行っちゃう!」と推薦コメントを書かれているのですが、まさにその通り。

まず騎手科に入学する前から死と隣り合わせです。

入学課題は、「生きて橋を渡ること」。橋から落ちると当然死にます。カイジの「電流鉄骨渡り」をイメージするとわかりやすいでしょうか。

ここで例年約15%の入学希望者が死にます。ちなみにヴァイオレットの年は368人が騎手科に入学しようとして、橋渡りで67人落ちました(=死にました)。ほぼ20%の死亡率。

無事入学できたとして、コマkomaさんのいう通り体育の授業のようなものであっさりあの世に行ったりします。

さらに「籠手試し」というデスゲーム版SASUKEみたいなイベントがあり、ここでも死にます。

竜も気軽に火を吹いて殺しにきます。竜と絆を結べても、それに嫉妬した同級生が集団で襲いかかってきます。

さらに竜の騎手になれたとしても、隣国と戦争中なので普通に戦死します。

やばすぎ。好きなキャラができたときにはもう冷や汗まみれで読み進めることになります。

こういった極限状態で次から次へと試練が起こるからこそ、ヴァイオレットの生き残るための必死さを応援したくなるし、ゼイデンとの恋が命懸けだからこそドキドキするんです。

続編「フォース・ウィング2 ―鉄炎の竜たち―」が4月23日発売!

待ってた……!

1巻がとんでもないところで終わっていたので、すぐに2巻が読める今は最高のタイミングです!

まだ読んでいない人はぜひ、この“灼けつくような恋と死”の物語に飛び込んでみてください!

ちなみに翻訳小説は売れ行き次第で途中で止まることも珍しくありません。事例を挙げたらキリがないのですが、「タイガーズ・カース」シリーズなんかは、いまだに「続き読みたい」とつらい思いをしてます……(出版社のヴィレッジブックスがもうないので絶望)。

だからこそ!

この場末のブログでも、全力で感想を書いて応援します。

本屋大賞受賞で重版出来&平積みも復活、新帯もついて、4月には2巻発売。
今こそ日本でも「フォース・ウィング」ブーム、来てほしい!!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次