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「白薔薇の花嫁 異国の貴公子は無垢で淫らな令嬢に溺れる」丸木文華【TL小説感想】

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丸木文華(まるきぶんげ)さんの「白薔薇の花嫁 異国の貴公子は無垢で淫らな令嬢に溺れる」、あまりにティーンズラブのヒロインらしからぬ喘ぎ声(褒めてます)が新鮮で皆さんにオススメしたく、レビューしました。

ティアラ文庫から刊行されている小説で、イラストレーターは神馬なはさん。紙版も電子版も発売されています。

目次

あの伝説の18禁乙女ゲーのシナリオライター

丸木文華さんという作家をご存知でしょうか?

2011年にリリースされた女性向けアダルトゲーム「蝶の毒 華の鎖」のシナリオライター、というとピンとくる方もいるかもしれません。

プレイしやすいSwitch版のリンクを貼りましたが、本来の楽しさを堪能できるのはPC版。攻略キャラの変態さ、バッドエンドのエグさに恐れ慄く伝説の18禁乙女ゲーです(褒めてる)。ちなみに斯波さん派です。

丸木さんは小説家としても活動しており、乙女向けやBLなどを中心に書かれています。

私は「蝶の毒 華の鎖」で初めて丸木さんを知り、ソーニャ文庫の「鬼の戀」、ティアラ文庫の「たった二人で世界を裏切る〜犬のような彼〜」、オレンジ文庫の「カスミとオボロ」など夢中で読みました。

作品から漂うインモラルな雰囲気、上品さとはすっぱな品のなさを使い分ける文章の巧みさ、過激で遠慮のない表現、いい意味で時代がかった描写など、唯一無二の読み心地を持つ作家です。

「丸木文華作品でしか得られない栄養がある」といった感じです。
「カスミとオボロ」、諦めずにもう何年も3巻を待ってます……!

まるで大正の文豪のように陰鬱な雰囲気が得意な丸木さんですが、一方でアホエロも得意です(笑)。

666回往復しないとイけない魔王様が出てくる「マジメな魔王様を誘惑したらドSな絶倫になりました。」とか。

今回レビューする「白薔薇の花嫁 異国の貴公子は無垢で淫らな令嬢に溺れる」も、そっち系のTL小説です。

【朗報!】んほぉ系の喘ぎ声が好きな人あつまれー!

「白薔薇の花嫁 異国の貴公子は無垢で淫らな令嬢に溺れる」を読み終わったあと、こう思いました。

【朗報!】んほぉ系の喘ぎ声が好きな人あつまれー! んほぉ系ヒロインのTL小説があったぞーーーー!

ヒロインのルルは、自他ともに認める変わった女性。率直なコミュニケーションしか取れず、周りからは煙たがられています。でもそんな周囲の態度に傷つく心も持っている。だから父親の言いつけで夜会に出席しても、最低限の挨拶をしたあとは1人になれる場所で本を読んでいるのですが、そんなところも周りの人間に冷笑される一因で、悪循環に陥っています。

でも、ルルは稀に見る才女です。言語学の天才で、何ヶ国語も話せます。

今で言う「共感覚」のような特徴を持っていて、言語の色が見えたり、香り、味わいを感じたりできるんです。

だから(?)ほかの感覚も鋭敏で、うるさい音が苦手だったり人に触られるのが嫌いだったり。

ここからが「さすが丸木文華……!」なのですが、繊細な場所に布の感触を感じるのも苦手なため、下半身はガーターベルトとストッキング以外身につけていません(要は下着を着ない)。もちろんドレスは着ていますが、スカート部分をめくったらすべてがあらわになっちゃいます。

あまりにフェチズム……!

それに加えて、娼館の女将から「色も形も具合も最高」「こんな上等な体初めて」と太鼓判を押される最高の体。

ヒーローのオラントは、初めはルルの令嬢らしからぬ率直なコミュニケーションと言語の才能に惹かれたのですが、あまりに体が良すぎていろんな意味でズッブズブにルルにハマっていきます。

そんなルル、喘ぎ声がすごい。

ティーンズラブのヒロインの喘ぎ声って、我慢しきれず漏らしてしまうような、殺しきれない吐息のような、そんな奥ゆかしい喘ぎが多くないですか? ヒロインが意に反して乱れてしまうことによってヒーローの絶技が読者に“理解(わか)る”……という構図、王道にして鉄板です。本当に萌えます。

でも、ルルは違います。

「ほぉっ、おぉ、んぅう、う」「おオぉっ」「んおっ!」と、「おほ声」や「んほぉ系」と呼ばれる系統。

最初は意表をつかれて驚いたのですが、才女がアホっぽい喘ぎ声というギャップが新鮮でした(笑)。

オラントも「君のように激しい達し方をする女は見たことがない」とびっくりしながらも夢中。最終的には「蟻地獄に嵌ったかのように抜け出せなくなっていた」とまで表現されています。 まさに「異国の貴公子は無垢で淫らな令嬢に溺れる」というサブタイトルの通り。

普通の喘ぎ声を読み慣れた方、ぜひ「白薔薇の花嫁」を読んでみてください!

素の自分を理解してくれるありがたさ、楽しさ、楽さ

ヒーロー・オラントのキャラ造形もすごくよかったです。

明るくておおらかなのに謎めいた油断のならなさ、常に口角が上がっているような飄々とした態度、荒波でも乗り越えていけるような頼り甲斐、ルルを包み込む包容力。

ティーンズラブはコミュニケーションが下手なヒーローが多い気がします。そっちも大好きなのですが、オラントのようにコミュニケーションが得意なヒーローも愛してる。

最初に書いたように、ルルは周りから「変」と言われて避けられ、でも馴染めなくて傷付いています。誰かに教えられなくてもわかる人間同士の交流が、ルルにとってはとてつもなく難しい。

オラントはそんなルルをまるごと気に入り、ありのままを受け入れます。

素の自分を理解してくれるありがたさ、楽しさ、楽さ。 実はルルには婚約者がいるのですが、それにもかかわらず2人は逢瀬を重ねていきます。

婚約者の存在は気になる人もいるかもしれないのですが、ネタバレになるのであまり詳しくは言えませんがけっこうアレな男なので浮気や不倫が嫌いな私でも気になりませんでした。

遊び人のオラントが愛欲の地獄へ突き落とされる物語(笑)、おすすめです。

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